鼎談ゲスト:飯塚悟史投手・鎌倉航捕手(日本文理高校)
進行役:市川裕光(公益社団法人 上越青年会議所 第50代理事長)
[市川理事長] 春の選抜高校野球、3年ぶり5回目の出場おめでとうございます。新潟県代表、北信越代表として、どんな思いで大会に臨むか教えてください。
[飯塚選手] 自分は小さい頃から新潟県から甲子園に行くのが目標で、それが実現できました。新潟県に優勝旗を持って帰りたいという気持ちが一番なので、全国制覇を目指して頑張りたいです。
[市川理事長] 私たちが野球をやっていた時は、春の選抜には当然届かなかったし、夏の甲子園も出場が目的ぐらいでした。皆さんはその上の全国制覇という高い目標を設定されているので、本当に期待したいです。
[鎌倉選手] 去年の夏も甲子園に出させてもらいましたが、夏は3年生に連れて行ってもらったので、今回が自分たちで行く初めての甲子園。夏の経験はしっかりと生きてくると思いますし、この秋に戦ってきたことを経験値にして、優勝旗を持って帰れるようにやっていきたいなと思います。
[市川理事長] 甲子園は2人が子どもの頃からの夢だったと思いますが、どうでしょうか。
[鎌倉選手] 野球を始めた時からずっとテレビで見てきた甲子園が一番の目標で、夢でした。春の選抜に出られるのは本当にうれしいですし、出るからには結果を残したいです。夢はかなったんですけど、その上を目指していきたいと思います。
[飯塚選手] 新潟県から甲子園に行くのがずっと夢で、この夏に実現できましたが、1回といわず何回も出たいと思ったので、それが実現できてうれしいですね。
[市川理事長] 夢をかなえるのは難しい。努力を積み重ねてこその夢の実現だと思います。そんな気持ちを持ちながら続けていってください。
[市川理事長] 中学を卒業して、高校から新潟にある日本文理で寮生活をしています。ふるさとの上越を強く思い出す時や、「上越のここが好き」といったことを教えてください。
[飯塚選手] 家から海がすごく近くて、海で遊ぶことがよくありました。寮生活をしていると、海を見ることすらなかなかありません。遠征などで高速道路で上越の方へ向かうと、久しぶりに上越の景色があって、また帰りたいなって思うことがあります。
[鎌倉選手] 自然豊かなところが好きですね。海も雪も。雪が多くて嫌になることもあるんですけど、小さい時はそりやかまくら作りで遊んでいました。新潟市は雪が本当に少なくて。野球をやるには本当にいいことなんですけど。雪が降ると小さい頃に遊んだことを思い出します。
[市川理事長] 高田の観桜会や上杉謙信など、上越には観光地があり偉人がいます。今年は高田開府400年で盛り上がりを見せていますし、上越で何気なく過ごしてきた事の2人の力になっているのかなと思います。離れていても、上越やふるさとを誇りにしてもらいたいなと思います。お二人は正捕手、エースとしてバッテリーを組んでいますが、これだけはほかの選手に負けない、自慢できることがあれば教えて下さい。
[鎌倉選手]考える野球をやることは誰にも負けたくないです。自分は体が小さいので、ほかの人と同じ様にやっていては結果がなかなか出ません。体の使い方や頭を使った野球をすることは、自分の中で意識しています。
[飯塚選手]チームの投手陣の中で一番投げる事が好きです。好きなことはすごくやり込むタイプなので、これからは苦手なこともしっかりやっていきたいと思います。とことんやり込むことはできるので、そこは自分は誰にも負けないと思います。
[市川理事長] 野球が高校生活の中でメーンだと思いますが、野球経験から、高校生活から、多くの学ぶことがあったと思います。自分に一番影響を与えたことは何でしょうか。
[鎌倉選手]野球の中では、一昨年の秋の北信越大会で松商学園に0−15で負けた試合や、明治神宮野球大会の決勝で8−0のリードから8−9で負けた試合も経験しました。野球が嫌になるような出来事から、多くのことを学んできました。松商学園戦は自分たちの力を何も出すことができずに終わった試合で、本当に恥ずかしい気持ちでいっぱいでした。あの試合があったから、去年一年間頑張れましたし、きっかけになる試合だったと思います。
[飯塚選手]大差で負けたり、最後に逆転されて負けたりと、野球をやっている人しか味わえない悔しさがありました。夏は甲子園に行かせてもらって、喜びを味わうことが出来ました。野球からありがたいものを貰ったと思います。
[市川理事長] 次の世代、13歳や14歳の子どもたちが、2人の活躍を見て「僕も頑張りたい」となると思います。長所や野球から学んだこと、姿勢が野球をする子どもたちの良い手本になると思うので頑張って下さい。
[市川理事長] 上越青年会議所は、高田と直江津がまちづくり団体の発祥なんですが、周りの市町村が合併して大きな上越市になり、私たちもオール上越の感覚で上越市を盛り上げようを思っています。皆さんも日本文理というチーム。日本文理野球とは何でしょうか。
[飯塚選手] 神宮大会もそうでしたが、打撃が魅力的。相手に1点先取られても全然動揺せず、最後まで粘り強く勝つことができるチームです。
[市川理事長] 粘りというと、平成21年の甲子園準優勝の時、決勝戦の9回の攻撃ですね。今でも動画サイトで見ますよ。
[鎌倉選手] チームカラーは諦めない野球です。平成21年もそうですし、昨年の夏の県大会決勝戦も点を取られて追いついてを繰り返しました。最後まで食らいつく野球が自分たちのカラーだと思います。
[市川理事長] 粘りや、諦めないことは新潟県人がもともと持っています。冬の雪の中で春を待ち頑張るという姿勢がDNAにあるのかな、日本文理の野球なのかなと思います。
県の代表、北信越の優勝校ということで、多くの期待と受けていると思います。私たちも上越出身のバッテリーということで、2人を誇りに思っています。楽しんで、伸び伸びしたプレーが勝利につながり、見ている人の元気になるので、気負わず文理野球をして下さい。本日はありがとうございました。