【はじめに】
新型コロナウィルス感染症は、当たり前だと思っていた今までの生活スタイルを過去のものへと変えました。人々の行動に大きな変容をもたらし、経済活動においても行動制限の中で停滞を余儀なくされ、様々なモノのあり方に多大なる影響を今も与え続けています。その影響はコロナ後の社会であっても元に戻ることは無く、新たな流れをもった社会に対応していくために、我々は変革の起点として地域の未来を思い描き行動することが重要です。
現在の日本では長期的な経済低迷、デフレの進行、人口減少、少子高齢化、地方の衰退などの構造的課題に加え、地球温暖化による世界的な気候変動によって、自然災害などの被害が増えており、温暖化の原因である温室効果ガスの削減に向け、環境問題への積極的な取り組みが必要となっております。具体的には脱炭素社会やカーボンニュートラルに向けた取り組み、海洋問題における脱プラスチックへの取り組みなど、環境や資源に重点を置いた持続可能な世界の実現を見据えており、私たちは様々な分野で起こるパラダイムシフトを捉えて、経済、社会、環境の調和に向けて率先した取り組みを行い、自ら新たな社会に即した運動を発信していかなければなりません。この新たな社会の流れの中で、私たちの上越市が、経済、社会、環境の調和を成し遂げ、次世代の地域のカタチを上越から世界へ発信するべく理想を持ち、先駆けて取り組むことこそがJC運動です。そして我々は2024年までの行動指針において、明るく豊かな上越の未来を創造し、感動を生みだす先駆者になることを宣言しています。その中で、アフターコロナに向けた今こそ新たな社会への変革の起点として、感動を生みだす熱が必要であると確信し本年度のスローガンを「KANDO」と掲げました。
感動とは物事に深い感銘を受けて心を強く動かされることです。私たちの運動で感動を伝えるためには、まず地域課題に対する知識を積み重ね、さらに地域課題の解決に向けた運動をより大きなものへとするために、私たちの運動に地域や市民に共感してもらうことが大切です。共感によって我々の運動から想いが伝わるときこそが、心を動かし感動を覚えてもらえた時であるからです。感動を覚えることで意識や行動に変化が起こり、それは必ず意識の変革として大きな運動と力につながります。さらに感動は会員拡大においても大切です。本年度は正会員数56名でのスタートです。現在、在籍メンバーの人数は私が入会した2016年からみても約6割までに減少しており、メンバーの減少は私たちにとって大きな課題となっております。過去に無い会員数の減少によって、適正な組織運営においても危機的な状況が迫ってきています。我々は「KANDO」という言葉を常に意識的に持ち、これから社会の変化に向けて仲間を集め、JAYCEE自らが学びの中で感動し、そしてJC運動の中で、どのようにすれば相手に感動を与えることが出来るのかを考え抜き、心が揺さぶられるような運動や事業を展開して参ります。
~組織の規律と、かけがえのない学びの場として~
例会はJC運動や活動を円滑に行うための情報交換および学びの場であり、組織の基盤を作る重要な場となります。現在、上越JCでは会員数の減少とともに、メンバーの平均所属年数も年々短くなってきており、全体的に運動や活動で学び得る時間、機会が減少傾向にあります。その中で例会は組織の潤滑油としての役割と共に、率先した学びの場としての役割が大きくなってきています。組織の規律という点で厳粛なセレモニーにて緊張感を持ちながらも、ひと月に一度の貴重な交流の機会として、メンバー同士の横のつながりや、お互い情報共有を図っていく事に加え、「いままで知らなかった新たな事を知れた」という学びの場としての要素を例会の中に意識的に取り入れていきます。学びの場としての例会は、「KANDO」を生みだすための知識の積み重ねを図る事ができ、更には学びを通し自己成長感から自分自身も感動を得ることで積極的に例会への参画意識とJCの運動力を高めてまいります。各種委員会事業においても学びの中から理解を深め、それぞれの事業に携わる仲間への敬意や、自らの学びの場として例会に参画していく場を作っていきます。
~アイデンティティーを学び、感動を生みだす先駆者になろう~
毎年新たな風がLOMに入り込み、新陳代謝を促します。ここで集結したメンバーには、日々の委員会活動を通してJAYCEEとしての心構えや、JC運動や事業を構築していく上でのプロセス、そして各種委員会事業への参画、積極的な対外事業への参加を含めて、JCのアイデンティティーであるJCIクリードや、三信条の(奉仕・修練・友情)をしっかり学んでほしいと考えております。オリエンテーション委員会で学ぶことは、JCの基本理念であり、それは今後の運動における意味や意義を捉えて行動するために必須の内容となります。何事も積極的に行動することで、仲間との絆、自身の成長をどこまでも望むことができます。そして是非とも、学びの成果を、率先した運動を展開していくための力と、地域の課題解決力につなげて頂きたいです。新入会員の成長は、他のメンバーにとっても大きな刺激となり、組織に非常に良い相互作用を生みだすことが出来ます。皆で感動を生みだす先駆者になるべく、より良い組織を作って、地域と自分自身にも「KANDO」をすることを意識していきましょう。
~地域のインフルエンサー、上越独自のコンテンツを世界に~
今日の情報発信の手段として、ソーシャルメディアなどのデジタル活用は必要不可欠であり、我々のJC運動においても力強い発信手段となっています。これからのアフターコロナ社会に向けて、デジタル技術の活用は更に加速し、生活やビジネスにおいてもこれらの変容は見過ごすことの出来ない重要なものとなりました。私たちはこれまでもソーシャルメディアを活用しJC運動を効果的に広めるために活用してきましたが、本年度は活用方法や可能性を更に広げてまいります。自らの運動を発信するためだけではなく、「市民×ソーシャルメディア」が生みだすさらなる運動の発信方法を創出し、ソーシャルメディアを活用しながらも、我々と市民が双方向に参加し、体験し合える一歩踏み込んだメディアの活用方法を用いて上越独自のコンテンツを創出します。
新たな方法で最大限運動を発信し、我々と市民の距離がぐっと近づく、そして世界へ上越を発信し、上越は面白いと魅力的に感じてもらう。その面白いがシェアされる運動を展開することで、地域の心を動かす「KANDO」を作り出し、私たちの運動を広げていきます。
~サステナブル上越への取り組み~
私たちの生活は、コロナ禍における行動制限により、リモートワークの取り組みやWEBの活用などで、大きな行動変容がもたらされました。しかし、これからのアフターコロナ社会へシフトしていく中で、今まで感染拡大防止のための措置として行動制限などで抑制されていた人々の流動に大きな変化が出てくることが予想されます。
この変化に対応し、世界からの人々と上越市をつなげる取り組みの創出は、これからの社会において、関係人口と交流人口拡大の大きなチャンスとなります。オープンイノベーションの発想で、産官学民などの様々な異分野の方々と連携し、地域の特色やアイデンティティーを再度検証するとともに、異分野がもつ技術やアイデアを組み合わせ、そこから得た地域資源や地域の潜在価値に、SDGsの中で高まる環境問題への対応策を取り入れることで、持続可能な上越独自のサステナブルブランドを確立します。我々の地域にある可能性を具体的にすることができれば、それは上越の新たな武器となり、世界と上越をつなげる可能性として、私たち地域の自信につながると考えます。サステナブル上越の取り組みで地域と共に「KANDO」を分かち合える運動を展開します。
~地域とJCの交流委員会として~
上越JCの会員数減少は加速的に進んでおり、現状のままでは組織運営の根幹を揺るがす危機的状況です。組織の活力、運動を持続可能なものとするため、そして強力なJC運動を行っていくためにも会員拡大は重要な課題です。会員の拡大を実施していくために、メンバーの一人ひとりが、拡大に対して当事者意識を持ち、合わせて我々の運動の中身を知ってもらうきっかけを戦略的に作ることが重要です。そのために我々の運動をより近い距離感で地域や企業、そして同年代の人たちに向けて発信し、更には事業に参画してもらう場を作っていくことが運動を知るきっかけとなります。上越JCの運動や情報を自らが戦略的に発信し、アピールし、知ってもらう機会を作る事で、地域との交流の窓口として積極的にJCの運動や活動を広げていきます。いわば上越JCの運動を伝える広告塔として、地域、企業、そして人に私たち自身を売り込み、活動の輪を広げていく、体感と経験を通じて共感し「KANDO」する場を作り、拡大運動につなげていきます。目標は大きく、戦略的な拡大計画をもって、我々の活動と感動を伝播し、ALLメンバーで会員拡大を実施していきます。
【結びに】
私たちは、いままで経験したことのない社会情勢と向き合いJC運動を進めています。感染症の歴史を紐解けば、人類は何度も感染症による社会基盤の崩壊を経験してきました。現在では医療やテクノロジーの発達により、あらゆる方法で、運動を停滞させることなく、社会活動が行えるありがたさに感謝するとともに、現在の状況に即した、最も効果的な方法で答えを導いていく責務があると考えております。
現在の社会情勢の中でも、視点を変えることで、運動や活動の手段は無限大です。どんな状況においても運動を起こせる仕組みと上越独自の持続可能な取り組みをクリエイティブな方法で生みだすことで、地域の武器を作り上げることができます。そして環境に対しても我々の地域の中でできること、その要素を運動に取り入れることで、持続可能な武器とできるのではないでしょうか。本年度の運動を通して「KANDO」を共有する仲間を増やし、明るい豊かな地域の発展と実現に、取り組んでまいります。相手にも、自分自身に対しても感動にこだわり、運動を展開していこう。
地域に仲間に運動に
「KANDO」をCan Doしよう!!
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