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グランドデザイン動画

2010年度理事長所信

【目 次】
1.『こんな時代』・・・だからこそ!!
2.時代の転換期を迎えて
3.想いをかたちに
4.自らの秘められた可能性を最大限に引き出そう!

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理事長所信

山岸 匡之


1.『こんな時代』・・・だからこそ!!


 『こんな時代』そう形容される不確かで先の見えない時代を今、私たちは、実社会を担い、そして後世に引き継ぐ責任世代として迎えています。

 グローバリズム、新自由主義の潮流のなかで日本の社会は大きく変化してきました。

規制緩和により生じた非正規雇用の拡大や賃金の低下。これがワーキングプアや生活保護世帯の増加を招き、かつて日本の優れた特色といわれた一億総中流社会は見る影もなくなってしまいました。

 また、製造業などの労働集約産業は、安い労働力を求めて発展途上国に移転され、地方の産業は空洞化を進め、地方の多くの若者は職を求め都会に流れ、東京一極集中が加速される一方、地方は人口減少と老齢化、市場購買力減少の一途を辿ってきました。

 また、グローバル化の波とともに効率主義、成果主義が大手を振って闊歩し始めて以来、終身雇用・年功序列を軸とした日本式経営をも揺るがし、労働の商品化や人間としての自尊心の崩壊をもたらしています。

 さらには、欧米流の拝金主義・功利主義が流布すると同時に、近代における政治・社会の流れは、「個人の自由」を尊重するあまり、エゴの肥大化を招き、日本伝統の「公」の精神は追いやられ、モラルの崩壊や自制の精神欠如を引き起こしました。

 このように、企業が日本式経営を手放し、社会においては否応なく進行する格差拡大のなかで、地域コミュニティーは分断され、人と人の信頼関係や社会的連帯感は薄れ、社会への帰属感を脆弱にし、個が孤立を深めてきました。

 追いつめられた個が行き場を失い、不条理な無差別殺人に向かった事件として「秋葉原連続通り魔事件」の暗澹たる記憶が蘇ります。社会には漠然とした不安が立ち込め、希望の持てない閉塞感や無力感がはびこり、出口の見えない日本の現状が横たわっています。

 『こんな時代』とは、まさに日本が途方もない大きな『危機に直面している時代』を意味します。識者の中には、幕末の黒船来寇、太平洋戦争における敗戦に次ぐ第3の危機、さらには日本の歴史上最大の国難を迎えていると捉える見方もあるほどです。

 今何とかしなくては取り返しのつかないことになってしまう。もう一度この国を、地域を再興したい。自信と誇りを取り戻したい。切実に現状を憂う人々が増えています。

 そして今、我々JCに課せられた使命とは?我々JAYCEEが果たすべき責任とは何でしょうか。

 JC宣言では、現代の世相を『混沌』と言い示しています。『混沌』とは先の見えない不確かな様。それはまさに『こんな時代』に通じ、『危機に直面している時代』を捉えているのです。我々は、先の見えない『混沌』を前にたじろぐことなく、それを『未知なる可能性』だと宣言しているのです。こんな時代だからこそ!!変革の能動者たらんとする青年として「明るい豊かな社会」の実現のために、共に率先して行動しようではありませんか。


2.時代の転換期を迎えて


    変化の波に漂流しない重い錨と確かな羅針盤を持つ

 私たちは、今まさに時代の大きな転換期に立ち会っています。

グローバリズムからローカリズムへ、中央集権から地方分権へ、経済至上主義から心の豊かさの探求へ、欧米流功利主義から日本伝統精神回帰へ、個の孤立からコミュニティーの復活へ、自由競争・自己責任から共存共栄・相互扶助へという大きな発想や価値の転換、パラダイムシフトが予見されます。

 青年会議所は、時代の潮流を読み、地域に起こる変化の波を察しつつ、揺るがない重い錨と行く先を示す確かな羅針盤を持ち、立脚点と方向性を再認識しながら、自信を持って運動を展開していくことが必要です。以下3点を本年度(社)上越青年会議所の重い錨、立脚点とし、グランドデザイン・アクションプランを確かな羅針盤、方向性と定め、これを基軸に運動を展開して参ります。

①真に豊かな上越 ~義の都の創造~

 我が上越は、郷土が誇る上杉謙信公が重んじた「義の精神」が息づくまちです。

真に豊かな上越を目指すには「義の精神」が内包する公の精神や利他の精神をさらに醸成し、自分事として主体的に社会参画や地域の問題解決に身を投じる市民意識の向上が求められます。合わせて、この地に暮らす者同士という地縁に基づく共同体意識や相互信頼、規範が根付く確かな地域コミュニティーの構築。これらが『義の都上越~義の心溢れ高い精神性が息づくまち~』の創造につながると信じます。

②21世紀はローカリズムの時代

 『国家の品格』の著者である藤原正彦氏は、21世紀をローカリズムの時代と位置付けています。世界の各民族、各地方に生まれた伝統、文化などを世界の人々が互いに尊重しあい、それを育てていく時代だと述べています。そう21世紀は、「地域が輝く時代」なのです。ないものねだりではなく、我が地域固有の歴史、風土、伝統、文化、地域資源に誇りと自信を持ち、その価値を最大限に活かし切り、地域のポテンシャルを高めていく時代と私は捉えます。

③和の結集 世代や立場を超えた協働と連携

 聖徳太子が十七条憲法を制定して以来、日本が和を基調とした道義国家と国柄を定めたことは周知の通りです。これは単に仲良くしなさいという道徳律を明文化したものではなく、「ものごとの道理は、上下のものが隔てなく話し合って初めて見えてくる」や「自分の路線だけに固執するな」といった具体的な趣旨が書かれています。LOMという組織内の相互連携は勿論、地域内外においても世代や立場を超えた相互補完性のある官民協働や市民協働、行政の枠組みを超えた広域連携が重要です。小さな力でもそれを結集することで大きなうねりに変えていくことができます。


3.想いをかたちに


    一点突破でLOMを挙げてまちづくりに邁進する一年に

 昨年、(社)上越青年会議所は、創立45周年というひとつの節目を迎えました。

そして本年は、4年後の50周年という創立半世紀の更なる大きな節目に向け、45周年でLOMの羅針盤と定めたグランドデザインを着実に実働に移して参ります。また、公益法人制度改革を踏まえ、09年度2月度総会において、公益社団法人認定を目指し運動を展開していくことが議決されました。これは、(社)上越青年会議所の活動・運動の方向性を示す重要な決断でありました。我々は今、これまでの45年間の(社)上越青年会議所の活動を尊き礎として、市民から更なる負託と信頼を得ることのできる活動を「英知と勇気と情熱」を傾注して実践していく覚悟を新たにしなくてはなりません。

 本質を見極め、誇りと自信を持って、若き地域の牽引役(リーダー)という自負を抱き、「上越の地域力」を高めることに大いに寄与して参りたいと強く念願します。

 そして、今我々は、生まれ、育った、そして日々の営みを支えていただいている故郷上越に何が残せるのか。・・・『想いをかたちにしたい』そんな考えに基づき、本年度は、一点突破でLOMを挙げて社会開発の理念に基づく「まちづくり」運動に邁進する一年にしたいとの方針を示します。

【市民力の高まりが、まちづくりの推進力】

 「まちづくり」を推進するために、先ずは、我々自身が、そして市民の皆様と共々に「まちづくり」を志す基盤となる郷土愛や地域への誇りを深め、市民アイデンティティーや地域共同体意識を醸成することが求められます。さらに、公の精神を復興し、社会への参画意識を高める。加えて、「地域が輝く時代」を念頭に、「まちづくり」に対する夢や希望を育みながら、「我々の地域は、我々で創る」という確固たる主体性や気概を高めることが重要です。合わせて、「まちづくり」の方法論や成功事例を学び、上越の地域性や特色に即した独自性の高い具体策を探求し、実践へと結びつけていくことが肝要です。こうした意識の高まりと知識の蓄積、実践と協働が総じて力強い市民力を育むと考えます。「己の心火」を燈し、躍動する「まちづくりスピリッツの醸成」を目指します。

【若者の知恵と力を引き出し、地域を活性化】

 「まちづくり」は「ひとづくり」とも言われます。地域の活力を高めるには、そのまちで嬉々として暮らし、活躍する若者の力が不可欠です。上越で暮らす学生や若者が、このまちにどんな想いを抱いているのか、どんな可能性を感じているのか、どんな未来像を抱いているのか。若者から上越を活き活きと輝かせるアイディアや考えを抽出し、それを具現化させ、さらには継続的にまちづくりや社会貢献に参加できる舞台や環境を地域とJC、そして若者が、力を合わせて創り上げていく有意性を強く感じます。「自分達もまちづくりの主役だ。自分達も地域の諸問題解決に貢献したい。自分たちの学んでいることを地域に活かしてみたい。」そんな想いや創造性、実行力を兼ね備えた「若きまちづくり人(びと)」の育成。新たな「ひとづくり」の分野として新境地を開拓します。

【郷土の歴史を活かした交流人口増加と義の精神伝承】

 昨年の「天地人」放映が地域に与えた影響は、多大でありました。県内外各地から多数の方々が来越し、活況を呈しました。そして、何よりも市民の多くが、春日山に居城を構えた越後の名将上杉謙信公の偉大さのもとに、故郷上越に生きる誇りを見出したことが尊ばれます。謙信公が生涯貫いた「義」の精神を継承し、わが上越の根本道義として広く伝承し、身近に実践していく重要性を感じます。上越には春日山城、2014年に開府400年を迎える城下町高田を始め、地域に深く根付き、今尚尊ばれ、親しまれている歴史資源が数多く点在します。創意と工夫をもって、郷土の歴史を活かした上越ならではの情緒を深めると共に、「義」の心に基づいたホスピタリティー精神の醸成を図り、交流人口の増加に寄与します。

【農・食を切り口に産業・夢おこし】

 四国の町で最も人口が少ない徳島県上勝町。そこで採れるどこにでもあるようなもみじや柿の葉が、日本料理の飾りに使われる『つまもの』として用いられるようになりました。かつては、邪魔者扱いされていた庭の木々は、収入を生み出す宝の木に変わったのだそうです。かつてはマイナスであった地理的条件をプラスに転化して、高齢者向けの新たな産業が創出された一例です。上越も豊かな自然や独自の風土に育まれた農や食文化が存在します。北陸新幹線開通を間近に控えた今、地域色溢れる農・食の創造は、この地域の有効な起爆剤と成り得るでしょう。地域の優位性を活かし、新たな価値を付加し、地域とも協働することで、上越の魅力を高める農の振興や食の特産化を図ります。地産地消や農商工連携などの視点からも有効なアプローチを図り、地域経済を活性化する一翼を担えるような産業・夢おこしに挑戦します。

【中心市街地の可能性を追求し、にぎわいを創出】

 4年後に控えた北陸新幹線の開通は、並行在来線問題と合わせて、既存の地域機能や人々の往来に大きな変化をもたらすことが予測されます。また全国的な傾向として、大型ショッピングセンターを中心とした郊外への人の流れは顕著であり、これまでまちの玄関口として、また貴重なコミュニケーション機能を果たす場として位置してきた中心市街地はそのあり方や、活性化に向けた打開策が官民連携で模索されています。

 地域に生き、地域を活かす地域商業の存在価値をいかに高めるか。コミュニティー・ビジネスとして生活者からいかに応援を得られるか。地域循環型経済やコンパクトシティー論、新たな交流やコミュニュケーション機能の創造による地域コミュニティーの再興など生活者視点から中心市街地の可能性を探り、「地域との深化」を図りながら、勇気ある一歩を踏み出し、中心(ま)市街地(ち)ににぎわいを創出したいと思います。

 我々は、上越の青年経済人である自覚を深め、経済人としての着眼点、創造力、企画立案能力、スケジューリング能力、コミュニケーション能力、行動力を駆使し、地域に貢献する運動を展開します。それが、地域における「JCの真価」を高めることと信じています。


4.自らの秘められた可能性を最大限に引き出そう!


    高められた力を結集し、地域に希望の種を蒔こう!!

 青年会議所は、可能性を追求する場であります。

第一に自らの秘められた可能性を引き出す場であります。自らの秘められた可能性を引き出すには、挑戦が必要です。ちょっと無理してみる。一歩踏み出してみる。あきらめず全力を尽くしてみる。自分には手が届かない気が遠くなるほどの山の頂に挑んでみる。そのあくなき挑戦の連続こそ、まだ見ぬ自らの可能性と出会う唯一無二の道なのです。

 そして更には、「何かもっと出来るはずだ 我々の力を結集すれば、もっと何か成しうるはずだ。」と地域や社会の可能性を最大限引き出すことを願う場であり、その実現に向け、絶えることのない意思と不断の努力を継承する団体だと信じます。

 一人ひとりの力が地域を変える。一人ひとりの力が国を変える。一人ひとりの力が世界を変える。高められた一人ひとりのJAYCEEの力を和合結集し、5年後の、そして10年後の上越に、やがて花開く希望の種を蒔こうではありませんか。

【活動の指針】

1、『創立45周年グランドデザイン・アクションプラン』を羅針盤として方向性を定め、その実働に踏み出します。

2、公益社団法人認定に向け、LOMメンバーへの継続的な意識と知識の向上と、情報の共有を図ります。

3、5年後のまちづくりに寄与することを念頭に、「上越の地域力を高める」まちづくり運動を展開します。

4、5年後の(社)上越青年会議所を担うメンバーの育成に努めます。

5、「組織の進化」の一環として、LOMを挙げ、組織立てて会員拡大を図ります。

6、会員相互の交流を深め、和を結集します。

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